この船は津軽海峡フェリーが保有しているナッチャンWorldという名前の船です。オーストラリアのインキャット製の高速船で形式的には双胴船に分類されます。米軍が使用しているスイフト級などと準同型艦ですがこちらのほうがやや大型となっています。
この船は元々ナッチャンRiraとともに2009年から2012年にかけて津軽海峡のフェリーに使用されていました。しかしながら原油高などを受けて運行を中止しました。そこに防衛省が目をつけ現在は主に防衛省がチャーターする形で離島輸送などに使用されています。現在は津軽海峡フェリーが運行している形ですが今後は予備自衛官を活用した形で「はくおう」とともに運用されるようです。
この船は元々ナッチャンRiraとともに2009年から2012年にかけて津軽海峡のフェリーに使用されていました。しかしながら原油高などを受けて運行を中止しました。そこに防衛省が目をつけ現在は主に防衛省がチャーターする形で離島輸送などに使用されています。現在は津軽海峡フェリーが運行している形ですが今後は予備自衛官を活用した形で「はくおう」とともに運用されるようです。
この時は沖永良部島に島嶼防衛を想定した共同転地演習の帰りだったようで西部方面施設科連隊の車両を運んでいたようです。この演習では鹿児島では「はくおう」が同部隊を運んでいたようですが帰りは船が違ったようですね。「はくおう」はこの記事を改定た時点ではまだ沖縄本島沖にいるようです。
鹿児島にはめったに来ないタイプの船だけに朝から親子連れも結構見に来ていました。
鹿児島にはめったに来ないタイプの船だけに朝から親子連れも結構見に来ていました。
形状としては双胴船の中でもウェーブピアサーと呼ばれているタイプで双胴船の中でも水に浸かる部分を細長くし高速船としたものです。細長く積載量によっては沈み込んだり波を受けたりするためか船体間の前よりには小さい船体がついていますね。後方は完全な双胴となっており後ろ端にはウォータージェットのノズルがついています。ウォータージェットはノズルの向きを変えることで操舵するので舵は付いていません。また、後のノズルを閉じることで逆噴射もできます。
主機は民間船ということもあり燃費に優れるディーゼルエンジンを4基搭載しています。そのため煙突は普通のフェリーのように小さい筒を備えています。
キャビンはほぼ民間船の頃のままとなっています。やはり空力を考えてでしょうか流線型をしており「はくおう」などの通常型のフェリーなどと比べると近未来的な形状をしています。津軽海峡フェリーとして使われていた頃は側面に出っ張っている部分がタラップとして旅客ターミナルとつながっていた用ですが現在は基本的に旅客ターミナルなどの設備は使わないので使用されていないと思われます。
船内は元々が短距離の高速船のため座席中心となっているようですが民間船だけに自衛官のゲスト用の船室よりかは快適でしょうね。
船内は元々が短距離の高速船のため座席中心となっているようですが民間船だけに自衛官のゲスト用の船室よりかは快適でしょうね。
この船は元々函館~青森間の専用岸壁を使用したフェリーに使われていたので車両の積載は基本的にその設備を前提とした構造となっていました。そのため写真のクレーンがあるところがランプになっており横の岸壁と比べてもわかるように位置が高く通常の岸壁は使用ができませんでした。そのため自衛隊が使用するには不便なため左舷側にフェリーなどと同様ランプが増設されました。クレーンもこの時に増設されたようです。
この改良により津軽海峡フェリー時代に使用していた専用設備は使用できなくなったようですがどの岸壁でも基本的に横付けできれば使用できるので汎用性は上がったと言えるでしょう。
また、これは津軽海峡フェリー時代からあったのでしょうが一番下の画像のようにタラップを使用せず津軽海峡フェリー時代はクルーが使用していたと思われる乗船口が船尾に設けられています。
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