この車両は博多と大分・別府を久大線経由で結ぶ観光特急「ゆふいんの森号」に使われている車両です。この列車は1989年に運行を開始した現在の観光特急のはしりとも言える列車です。途中小倉まで足を伸ばしたり等色々と運行区間が変わったようですが現在は3往復のうち別府まで足を伸ばす「3号、4号」に使われています。少し足が長いですが1往復しかし無いのはベースが古いためそれをいたわるためでしょうか。
2編成あるうちの古い方で当時ベースとなる気動車はキハ58系列しかなく完全新製も「ゆふいんの森号」が当たるかわからず国鉄分割民営化からまもないことから難しいため足回りのみ流用で車体は新製という形を取りました。そのため「あそ1962」が引退した現在唯一のキハ58系列の列車となっています。
車体はそれまでの国鉄型と比べておしゃれな流線型となっており客室はハイデッカーです。客室の位置が高いため車両接触限界に触れないよう上の方は絞られています。デザインはキハ72系の方は水戸岡鋭治氏ですがこちらは違うようです。
車体はそれまでの国鉄型と比べておしゃれな流線型となっており客室はハイデッカーです。客室の位置が高いため車両接触限界に触れないよう上の方は絞られています。デザインはキハ72系の方は水戸岡鋭治氏ですがこちらは違うようです。
車体は新製ですが足回りはそのままのためエンジンや台車などは種車のものが流用されています。エンジンの方は2000年代初頭にキハ200形と同じものに交換されていますが台車は元のDT39B,TR218B,DT22Cとなっており前者2種が空気バネ、後者がコイルばねとなっており先頭車と中間車では乗り心地がことなっています。とはいえ「ななつ星」で採用された日立オートモティブシステムズが開発した可変減衰上下動ダンパが装着され乗り心地の改善を図っています。台車中央にあるシリンダーがそれです。
エンジンはキハ71形はSA6D125HD-1、キハ70形はSA6D125H-1Aとなっています。エンジンの種類が違うのはエンジンの搭載数が違うからでしょうか。冷房用エンジンの交換については調べても出てこないので種車の4VKのままなのでしょうか。
エンジンはキハ71形はSA6D125HD-1、キハ70形はSA6D125H-1Aとなっています。エンジンの種類が違うのはエンジンの搭載数が違うからでしょうか。冷房用エンジンの交換については調べても出てこないので種車の4VKのままなのでしょうか。
車体は新製されているため非貫通式となっていますが運転台は自動ブレーキの種車のものが流用されています。そのため計器盤は恐らく新品でしょうがブレーキやマスコンなどはキハ58系と共通のものとなっています。放送装置も種車のものが流用されており電話機タイプですがチャイムは電子オルゴールのため別体式となっておりマイクからオルゴールは撤去されています。
運転台全体は非貫通式のため同時期製造の783系と同じように中央にコンソールをおいています。ただ、783系や後の787系と異なり助手席をもうけていますね。座席は当時の415系などと同じタイプの座席でお世辞にも座り心地がいいとはいえないものです。
車内は全席普通車で2+2の4人掛けになっています。車体と同じくヨーロピアンテイストの内装となっており照明は白熱灯を使用し金メッキを多数使用した装飾品で飾られています。デザインはよく考慮されておりその後登場したキハ72系や他社のレトロ調車両にはないいい雰囲気をだしています。
荷棚などはパイプタイプで金色のものとなっています。伸縮性がなく荷棚は狭いため各号車のデッキ脇には荷物置き場兼添乗員の打ち合わせスペースが設けられています。
また、ハイデッカー構造のため目線は普通の車両も幕板部分当たりに来るため展望は良好です。ハイデッカーで車体が絞られているので窓から屋根にかけてすぼまっているのが見て取れると思います。
通常は「ゆふいんの森号」として運行していますが貸切としての運行も考慮してでしょうか柱の部分にはところどころマイクのジャックが設けられています。
また、近年の外国からの旅行客に配慮してか各号車にはフリーWi-Fiの設備が装備されるようになりました。
また、近年の外国からの旅行客に配慮してか各号車にはフリーWi-Fiの設備が装備されるようになりました。
座席はオリジナルのものに交換され全席リクライニングシートとなっています。設計が古いためか後のキハ72系のものと比べると重厚感のある座席となっています。リニューアルを受けた後の現在は水戸岡氏がよく使うパターンのものになっており2種類パターンが有ります。以前は1両の中に2パターンあったようですが現在は先頭車と中間車でパターンを分けているようです。
グループ利用が多いということで背面のテーブルは設けられておらずアームレスト内蔵のテーブルと向かい合わせにした時に壁から出して使用できるものが設けられています。フットレストは当初は板状のものだったようですが1回目のリニューアルで787系などと同じT字型のものに交換されているようです。
また、2号車の2列分は完全なボックス席となっており固定式のテーブルを備えパーティションで区切られた区画があります。787系の元ビュッフェ車のボックス席と同じようにテーブルは広げることができるようなタイプとなっています。残念ながらパーティション戸の隙間の関係でこの部分はリクライニングできないようです。
2号車にはビュッフェが、3号車にはサロンが設けられています。3号車のサロンは以前はギャラリーとして使われていましたが直近のリニューアルでキハ72系に合わせて窓が設けられサロンに改装されました。また、2号車のビュッフェと隣り合わせに変更することでビュッフェで買った軽食をここで摂れるようになっています。
2号車のビュッフェは軽食なども提供できる設備を持っていますが現在は基本的に弁当が中心のようです。この時はビールを買い求める方が多かったのですが缶ビールではなく地ビールをコップに提供するのはビュッフェならではといったところでしょうか。キハ72系と比べると木の色が濃く雰囲気としてはこちらのほうがいでしょうか。
デッキも木を多用したものとなっています。キハ72系と異なり客室からデッキに行くには階段を降りることになるためワゴンサービスがありません。また、バリアフリー対応も難しくなっています。